早稲田サロン(2024.4.13)
「4月早稲田サロン」は すっかり春めいた去る13日(土)夕刻、居酒屋「壱番館」に於いて 新入会員の曽我信也さん(1990年 一文 卒)を講師役にお迎えし、「どうなったら介護を受けますか?」と題してお話戴きました。
他人ごとではないテーマとあって、過去のサロン最多参加者22名に迫る18名のご参加を得、脇テーブルも動員しての講演となりました。お母様が大切に保管されていた30数年ぶりの学ランに角帽姿で講演に臨まれた曽我さんは参加者全員にも判るよう、パワー・ポイントを利用し周囲に万遍なく顔を向けながら説明して下さいました。
人としての「尊厳」や自己の「存在価値」の喪失感などから「介護を受ける」検討をつい先送りしてしまいがちな私達ですが、訪問介護事業を市内で展開する立場から曽我さんは、その点を考え直して欲しいとアドバイスします。人は生まれ落ちた時と健康寿命が尽きた時に人の世話になると考えれば、「介護を受ける」ことはむしろ誇りと考えて貰いたい、と云います。
「介護をする」人が優先して考えるべきは「尊厳の保持」と「自立支援」の二点だと云います。前者は「介護される」人の「自己決定権」の尊重で、後者は「社会参加」の支援や日常生活の中での心理面を含めたサポートとのこと。つぎに、「介護」はいずれ誰にも訪れると考えれば「介護の備え」はとりわけ重要だ、と曽我さんは云います。
「物忘れが増えた」、「ふらついて転んだ」、「怒りっぽくなった」等の体調面の変化、心身の違和感、興味や関心事の変化、やる気の減退、食事嗜好の変化等は「介護」の必要性を考え始めるシグナルであり、更に「介護」のための資金面の状態、周囲の人間関係(親戚、友人やご近所の人との交流状態、掛かり付け医師等)について前以って把握しておくことで「介護をする」人の負担軽減につなげることが出来る、とも云います。
また「介護」は誰か一人に任せるのでなく、複数の人で「役割分担」する考え方が重要だそうです。そして「介護される」本人が健常であるうちにどのような老後を送りたいか、終末期をどう迎えたいかを確認しておくことを心掛けて欲しいと云います。
最後に「介護状態」になった場合の相談先として行政の窓口(市・介護福祉課)、地域包括支援センターなどの存在を知っておいて欲しいとのことです。
皆さん熱心に曽我さんの話に聴き入り 質疑応答も交えるなかで 盛況のうちに会はお開きとなりました。
講師の個人写真(学ラン+角帽)と、サロン歓談風景写真4枚を添えて以上 報告に替えさせて戴きます。
早稲田サロン 代表世話人 岸川 公一 4月17日