早稲田サロン(2025.03.08)

3月早稲田サロンは去る8日(土) 夕刻、恒例の居酒屋「壱番館」を会場に 新入会員の横山
博さん(昨年8月入会、1982年 商学部 卒)を講師役にお迎えして「私の退職後の学び体験」
と題してお話いただきました。

立春を過ぎて尚 この日も厳しい寒さの中を、事前のPR効果も手伝って 講師と幹事2名を
除いた参加者12名のうち、新入会員2名と常連組以外の方2名に加え、女性会員4名の参加
も得て、新鮮な雰囲気の下に大テーブルと脇テーブルも動員しての講演となり、歓談も交
え 時間は瞬く間に過ぎて盛会のうちに 20時半過ぎにサロンはお開きとなりました。

 

江戸川区小岩で生まれ育った横山さんが通う、地元都立高校の同窓生には 著名な落語家、
大衆歌謡歌手などの面々が名を連ねるという「下町情緒」あふれる土地柄にあって本人は
考古学を学びたいと 国立二期校の受験を考えますが、いとこの強い勧めもあり 早稲田大
学 商学部へと進学します。

第二次石油危機が終息して直ぐの1982(昭和57)年4月に大学を卒業した横山さんは、流通
卸売り専門商社に就職しますが 社風に馴染めず2年余りで退職、以後は公認会計士の道を
目指します。猛勉強の末、2年後の1986年秋に公認会計士2次試験に合格。晴れて公認会
計士の資格を得ます。

以後は、職場を替わりながらも同業界に身を置き、上場企業の現場監査業務等を中心に63
歳になった2022年6月まで勤めあげたのち、定年退職します。
退職した直後に、「超高齢化社会」の中で シニア世代の一員として新たな分野の知識習得
の必要性を痛感した横山さんは、中小企業診断士の一次試験を受験する傍ら、一念発起し、
大学院大学への入学にチャレンジします。

定年退職の4ケ月後に入学したAIIT(=都立産業技術大学院大学)での「シニアスタートアッ
プ(起業)履修証明プログラム」コ-スの体験が、具体的に紹介されます..同コースには、
横山さんを始め 各種業界での勤務経歴を持つ 50~70代のシニア層 10名が入学します。

「特定専門単位」の「人間中心デザイン論」などでは、20~30代の現役社会人大学院生に混じ
ってオンラインでの討論会に加わり、発表なども行ったそうです。
また「課題解決の経験を通して学ぶ学習法(PBL)」の履修課程ではメンバーが討議リーダー
以下 役割分担し、各自の持ち場で与えられた課題に対し主に、オンラインで対応。討議は
深夜に及ぶ例も多々あり、レポート纏め作業は早朝に及んだりで、体力・知力的にシニアに
とってはかなり過酷だったようで、最終的に修了証書を手にしたのは横山さんを含め半数
の5名だった、とのことです。

人生120年時代到来とも云われる超高齢化社会でいわゆるシニア層と呼ばれる65歳以上の
人口が占める割合は3割に迫り、年金生活者1人を現役世代2人が支える「構図」を前に、今後
現役世代の負担は増々増加することを前提に横山さんは、これからのシニア層 各自が持つ
べき自覚として、「自ら健康を維持」し「自活する」ことで 現役世代の負担軽減を図る努力を
継続せよ、と強調します..そして「健全な日常生活」を送るために維持すべき要目として、
以下の3つを挙げます。

①「機能的健全性」 :
   自活のための手作業、体操、歩行、発声による滑舌維持 等を図ることでの、充足感の達成。 

②「社会的健全性」 :
   地域活動集団の中で 社会との接点を保って貢献活動等を行なうことでの、充足感の達成。

③「精神的健全性」:
   興味ある分野の学習、趣味の深耕、知識や技芸の伝承等を行なうことでの、充足感の達成。

そして横山さんは 人生120年時代の知識の更新・趣味の深耕・社会貢献のための地域の学び
の場として、「小金井稲門会」を活用し盛り上げていきたい、との抱負を述べます。

最後に提言として、シニアの学びにおいてはインプット(知識の習得)よりも、アウトプット
(習得した内容のお披露目)に重点を置き、社会性の維持・拡大に努めることが重要だ、と横山
さんは云います。成功体験や失敗体験から得られた「ノウハウ」や「反省」を現役世代に伝承
し公開することで 現役世代にとって価値のある情報の世代伝達が可能になる、と云います。

講演の中で回覧された参考資料のうち特に【参考資料(4)】は、わが小金井稲門会が直面す
る「会員数の頭打ち」の課題に対し、検討に値する貴重な分析資料と思われます。

最後に、講師近影と講演風景写真を添え ご報告とさせていただきます。

 以上

     早稲田サロン世話人 岸川  公一 矢吹  淳