早稲田サロン(2026.02.14)

2月早稲田サロンは,一昨年8月の “暑気払いイベント” 会場で飛び入り参加されてその場で小金井稲門会に入会された、松下玲子さんを講師役にお迎えして、”呑み処 がらん” を会場として借り切り、総勢17名の会員ご参加の下に開催されました。

 

 

ご承知の通り、この一週間前に急遽実施された衆議院議員の改選で松下候補は、解党となった所属政党から急ごしらえの “中道改革連合” に入党し立候補しますが、7万票弱の票を集めながらも比例復活もならずに落選。 新政党も一敗地にまみれるという結果でした。

 

このように、講演の直前で状況が一変して一週間足らず後のサロンとあって、ご本人の胸中は落胆極まる処と察する中で、今回の講演を快諾いただき、予定通り開催にこぎ着けることができました。改めてこの場をお借りしてご本人には厚く御礼申しあげます。

 

松下さんは名古屋市生まれで、時事通信社に勤務する父上の転勤などもあって、6都道府県での生活体験を通じ、幼心にも地方行政の格差を感じてきたと云います。それでも大学を卒業するまでは政治の世界と特に関わりはありませんでしたが、卒業後就職した某大手企業の職場で、残業代を申請する代わりに領収証記載金額の改ざんに手を染めて収入の足しにしているパート社員の不正行為を知ります。これが所謂 “130万円の年収の壁”問題であると悟った松下さんは、このような不正を繰り返させないための社会保障制度づくりこそが肝要だと気づき,これには政治の力が要ると考えるようになります。

 

2001年に会社を辞めた松下さんは 翌年、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程への進学に舵を切り、社会政策と労働経済学を中心に研究を行います。

 

そして2004年3月に修士課程を終了すると、松下政経塾の門を叩きます。  第25期生として塾生に採用された松下さんは7名の同期生と研修活動に励み早期終了し、自民党員への道を歩む塾生が圧倒的多い中、「長い物に巻かれろ」的な自民党とは敢えて異なる道 (当時の民主党)を政党に選んだとのことです。

 

元々、今回のサロンで話すテーマであった ”日本の社会保障制度(医療,年金,健康保険)のこれから” についての講話内容 要旨は以下の通りです。

 

現行の社会保障制度は創設された当時の社会情勢を反映して仕組みが決定されているが、今後は急速に進む少子高齢化による人口構成の変化によって、今の仕組みのままでは成り立たなくなる点を松下さんは指摘します。例えば現状の年金給付は,年金受給者が過去に自らが納めた年金保険料を今になって受け取る “貯蓄型”ではなく、激減している現役世代が納付する分を受け取る “世代間の仕送り型”となったままの点を松下さんは問題視し、少子高齢化の実態を踏まえて現行制度の改正と持続可能な制度への変換が必要である、と訴えます。こうした制度上の課題は小手先の変更ではなく、今後のことも見据えて国民がどのような日本の社会像を描き望むのか、負担と給付のあり方をどう考えるのかをしっかりした理念に基づき長期的な計画の下に進めるべきと強調しますが、今回の解散総選挙の実態を見るにつけこうした重要な課題への政治的な議論が欠如しているのが残念でならない、と松下さんは語ります。そして本人の決意として、代議士の資格を失った今後も周囲の住民の声に耳を傾けて今の自分に出来ることやなすべきことを地道にコツコツと継続していきたいと、おっしゃっています。

 

今回のサロンでは、参加された小金井稲門会の諸先輩の皆さまから改めて叱咤激励を含め、元気を頂戴して進取の気鋭で今後とも “在野”、”反骨” の精神で頑張ろうと、心新たにさせていただいたひと時であった、との言葉を 結びとして松下さんから頂戴しました。

 

また、会の後半には、白寿を2ケ月後に控えた鈴木敏雄さんの古賀メロディーのハーモニカ吹奏もサプライズ披露され、締めは参加者一同で大学校歌を斉唱して、盛会のうちに20時過ぎに会はお開きとなりました。 以上、概要を報告いたします。

 

なお、当日の出席者の方々(17名)は以下の通りです。【アイウエオ順】

 ( 講演者 ) 松下 玲子さん

 ( 聴講者 ) 梅根 憲生さん・大賀 昭彦さん・金子 正和さん・輿水 敦さん・坂井 研次郎さん  

       鈴木 敏雄さん・辻本 英一さん・永井 庸夫さん・西村 正臣さん・冨士森 みつさん

                 堀地 のりこさん・村田 迪夫さん・吉川 裕子さん・亘理 鐡哉さん

 ( 世話人 )  岸川 公一 ・ 矢吹 淳

 

以上

   早稲田サロン世話人  岸川  公一  矢吹  淳