早稲田サロン(2026.10.10)
10月早稲田サロンは去る10日夕刻 萌え木ホールに古参会員の永井庸夫さん(1966 理工卒)を講師にお迎えし “人生に影響を与えたユダヤ人との交流 ” の演題でお話いただきました。当日は事前参加申込みされた2名が事情で欠席されたため 総勢9名での集会となりました。
大学卒業の年の春にシチズン時計に入社した永井さんは生産技術者としての企業人生を歩み始めます。折からの高度経済成長期にあって同社も生産ライン増設や香港の組立ライン新設等の海外進出を図る中で南米ブラジルでの拡販を目指しアマゾン中流域のマナウスにユダヤ資本の販売代理店と合弁で1981年に組立工場を設立します。その責任者として翌1982年より永井さんは同地に赴任し工場を軌道に乗せたのち 1988年には拡販強化のためおよそ2,500km離れた同国最大都市のサンパウロに移り5年間滞在し1993年に帰任します。
ユダヤ人との合弁契約交渉を始めとして以下に述べるビジネス面のセンスを肌で感じ取った永井さんは “目から鱗が落ちる”思いで人生観が変わるほどの衝撃を覚えたと述懐します。そして合弁契約締結の当初からユダヤ人への理解を極めようと関連書籍数十冊を手当たり次第読破したそうです。ユダヤ人について永井さんの語るその特徴ほかを以下に述べます。
【ユダヤ人について】
*柔軟な物の考え方ができる民族で現実的かつ実利的・独創的な考え方を旨としている。
*いろいろな角度から物事を見て柔軟性とバランス感覚を保っている。それは ジョーク
や格言を好む傾向にも表われている。
*経済的地位の向上を目指し相互の情報交換に熱心。世界的ネットワークを有効活用する。
*経済的ノウハウの向上を目指しての努力を惜しまない。
*教育への投資に金銭を惜しまず このため 知的レベルが高い。
*上述した現実的,実利的,独創的な思考法がビジネスに適している。資産活用・資産形成
のノウハウ事例としては “不動産価格と賃貸料の関係”, “資産の回転ー雪だるま理論”,
“資産のリスク分散の考え方”, “リスクとリターン”, “地域社会との付き合いの効用” 等々。
【ユダヤ人の成功の7つのルール】
*話すな、聴け。見るな、観よ。
*失敗を恐れず 行動せよ。
*明日やるでなく 今日やれ。
*”脳みそ” を最強の武器とせよ。
*すべてから学び取れ。
*ノーマネー・ノーフリーダム
*真の豊かさを知れ。
【ユダヤ人の格言】
*豊かな人とは 自分の持っているもので満足できる人である。
*賢者とは すべての人から学ぶ人である。
*他の人より優れている人は 真に優れているとはいえない。以前の自分より優れてい
る人が 真に優れているといえる。
*友を選ぶときは 階段を一段上がれ、妻を選ぶときは 階段を一段下がれ。
*人を侮るな、何事も不可能と思うな、人には時があり 物には 場がある。
*取引でこちらの要求をすべて聞く相手とは 取引を継続するな。
以上の考え方が培われるに至った ユダヤ人の置かれて来た歴史的な背景はつぎの通り。
【迫害と離散(ディアスポラ)の歴史】
*シナイ山での十戒による絶対神( ヤハウェ)との契約 ➡ 選民思想の誕生
*ユダヤ王国の滅亡(BC600)以降は殆どが異民族の支配下での迫害を受ける歴史であった。
*各地への離散後も選民思想の故に同化せずに宗教と生活慣習を遵守。しかし選民思想と
キリスト処刑の過去のため この2千年間に幾多の迫害・差別・離散を強いられてきた..
*土地を与えられなかったためキリスト教社会で賎しまれる金貸し業やハリウッド(映画界)
ラスベガス(ユダヤマフイア)などの新たな業種に参入した。更にメディア支配(ABC,CBC,
ロイター等) は民族の安全保障上の手段としての意味もある。
*また迫害を受けた歴史から持ち運び容易な貴金属・ダイヤモンド業界にも積極参入する。
*19世紀初頭には欧州から 追放や迫害からの避難で 数十万人のユダヤ人が自由の国である
北米に移住する。更に19世紀後半〜20世紀前半には帝政ロシアによるユダヤ人迫害により
およそ280万人もの東欧系ユダヤ人が北米に逃れた..
*西欧系ユダヤ人は国際金融コネクションを駆使し投資銀行業界で成功を収める (ロスチャイ
ルド一族など)。また東欧系ユダヤ人は未成熟な産業分野に進出し 次々に成功を収めた。
(映画産業のMGM,20世紀フォックス,パラマウント, ユニバーサル。出版業界のNYタイムズ,
ワシントンポスト,タイム 等々 )
永井さんはその後 同社の社長に昇り詰めますが ユダヤ人ビジネスマンと現地で寝食を共にし
獲られた貴重な思考法は のちのちの会社経営面でも大いに役立ったことは言うを待ちません。
興味深いユダヤ人の話で盛況のうちに会はお開きとなりました。
当日の聴講者は以下の通りです。【アイウエオ順、敬称略】
梅根憲生 輿水敦 坂井研次郎 辻本英一 西村正臣 吉川裕子 亘理鐵哉
岸川公一(=進行役)
最後に永井講師の近影を添えて活動報告とさせていただきます。
以 上
早稲田サロン 世話人 岸川 公一

