NY個展「The Expression of Letters」
             を終えて

國分 絮虹
 たくさんの方のご支援を得て、初めての個展が実現できました。
ギャラリーの真っ白な壁に大小の軸と額28点、160×160(センチ)のタペストリーは窓の前に上から吊るす形、風呂先屏風は畳に置き、展示計30点、他に字を書いた陶器の皿、団扇なども添えてみました。

 このNYマンハッタンのチェルシー地区にはものすごい数の画廊があるようです。特に週末は、ご夫婦、カップル、友達連れなど、たくさんのひとが画廊回りをします。昔はソーホーの倉庫にヒトラーの迫害を逃れて西欧の芸術家たちが集まったそうですが、その辺は地価もあがり店ができ、今はチェルシーが芸術活動のメッカになっています。が、ここも地価はかなり高そうでした。12年間でNYの地価は75%上がったとか。
 余談ですが、チェルシーはゲイが多いとも聞きました。因みに隣のギャラリーでもゲイの写真作品が展示してありました。私はビルの9階でしたが、通りに面した1階のギャラリーのメインは、大きなキャンバスにゲイの枕絵的な大胆かつシンプルな構図のものがあり、やはりびっくりしました。同じビルのギャラリーをいくつか回りました。だだっ広いところに2〜3メートル四方の4点、かなり大雑把な感じで色をぶつけたものでした。MOMAなどにもこんな筆致の作品は多いようです。大雑把で作品自体の完成度は低く、それがかえって館内の観客との融合で生きてくる、というような。またバレリーナの影をとらえた写真、これは映像が曖昧でその抽象性が面白い。光をテーマにした写真、これもカメラの眼を使った抽象。緻密な筆致で透明感のある人物画などがありましたが、それほどショックは受けませんでした。もっといいものもあったのでしょうが、ゆっくり見る時間はつくれませんでした。

 来廊された方は、みな一つ一つキャプションにも興味を示され、Beautiful!  Exciting!
Modern!  Grace! Pretty! Difficult! Energy! などの語を含んだ感想を示されました。「文字が難しくてそのことはわからないが、抽象画を見るように理解した」といわれた時、わが意を強くしました。
 かつて先人が書かなかった、この現代を反映した新しい書の表現を志向することを、再認識しました。
 日本人はいろいろな種類の文字を使っています。漢字・国字・ひらがな・カタカナ・ローマ字。そして世界最短の詩を持っています。これらの独自性を根底に、日本からのメッセージをさらに書の表現で発信していきたいと思いました。

2014.5.17

  下記のURLからNY個展の様子をご覧になることができます。

   http://www.slasc.jp/akane.html#4

   https://www.facebook.com/kokubunjyokou/photos_stream

  また、國分絮虹展についての記事が「週刊NY生活」に掲載されています。
   (デジタル版は、検索キーワード「週刊NY生活」で検索できます。)
     「週刊NY生活」4月26日号30ページ参照
     「週刊NY生活」5月17日号10ページ参照





  2015年1月15日(木)から18日(日)
  小金井市民ギャラリーで
個展「文字の表情」開催予定です。

  NY個展とほぼ同じ作品を日本でも鑑賞できます!